
前回ご紹介した世田山のふもとに現在の世田薬師があります。
地元ではとても有名なお寺なのですが今回始めて参ることができました。
世田薬師とは1280余年の歴史を持つ古刹です。
この「世田薬師」という名前は正式ではなく、西条市と今治市の境にある世田山(335m)の山上に奉られているお薬師さんだからというのでこの愛称で呼ばれています。
正式には山号を世田山、院号を医王院、寺号を栴檀寺といいます。
この栴檀寺という名前は、神亀元年(724)行基四国順錫の折、山上に薬師如来のご来迎を拝し、そのお姿を「栴檀は双葉より芳し」という栴檀の一木に刻み寺を開いたことから名付けられたと言われています。
お奉りしているご本尊は、珍しい立像の薬師如来なのですが、秘仏である為、一般には公開していません。
この立像の薬師如来は、特に霊験あらたかと信仰を集め、近隣に末寺十二坊を数え、山岳仏教の一拠点として栄えたといわれています。
昭和2年に世田山山上より大師堂と、三宝荒神堂等を山麓に移し現在の姿へとなりました。
長い歴史を持つ「世田薬師」は、色々なめずらしい信仰の行事があるのですが、その代表的な行事に約300年前より伝わる「きうり封じ」があります。
夏の土用丑(うし)の日に「う」のつく「きうり」で身体健康、病気平癒を祈祷します。
元々は瓜を使っていたらしいですが、今ではきゅうりを使っています。
きゅうりに病気を封じ込める行事で、3年続けると病気の根が絶つと言われています。
今では、テレビ番組でも度々取り上げられているので全国的に有名な行事となっています。
この為、近年では厄除け、病気平癒、健康、合格、良縁祈願等の方々が多く訪れ賑わっています。
詳しくは
世田薬師のホームページをご覧ください。
世田山城を舞台にした戦が繰り返され同じ世田山にあった栴檀寺の運命も例外ではなかったようです。
また、世田薬師の周辺は民話が多く伝承され、特に世田山上にある本堂の向拝についた左甚五郎の胴を切られた水呑み竜の話しは特に有名です。
世田薬師の近くにある、国道196号線沿いには、この竜を名前の由来持つ蛇越池があります。

本堂のすぐ隣には三宝荒神を奉ったお堂が経っています。
荒神信仰は、西日本、特に瀬戸内海沿岸地方で盛んであったようです
。
日本仏教の信仰の中で独自に発展した尊像であり、三宝荒神はその代表的な物です。
荒神様は我々に一番身近な神様です。
屋内では火の神(かまどの神様)、屋外では土地の神(屋敷の守護神)として祀られています。
不浄や災難を除去する神とされることから、火と竈の神として信仰され、かまど神として祭られることが多い。
これは日本では台所やかまどが最も清浄なる場所であることから、しだいに俗間で信仰されるようになったものです。
我が家も昔は台所に必ずお札を貼っていました。
今では見なくなりましたが、昔は年が明けると必ず近くの神社の縁の人がお札を売りに来てそれを買って貼るのが当たり前の事でした。